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【連載】地下微生物・第14話【珪藻岩の微生物(3)】

2014.07.14

はじめに

幌延地域の珪藻岩の地層にはメタンを作る微生物の他にも様々な種類の微生物が棲んでおり、わたし達も新種も含め多くの微生物を生け捕りにしています。
今回は、その中でも初期の研究で探索に力を入れていた温室効果ガスであるCO2を食べてくれる微生物(CO2固定微生物)についてご紹介したいと思います。


幌延珪藻岩のCO2固定微生物「シュードモナス」

この微生物の探索は温室効果ガスであるCO2の削減という課題について、地下微生物活用の検討というコンセプトで弊所の長期ビジョンにも盛り込まれています。

http://www.h-rise.jp/h_rise/project.html

このCO2固定微生物ですが、これまでに数百株を生け捕りにしています。そのほとんどが「シュードモナス」いう種類のバクテリアでした。私たちとしては、あらかじめターゲットとしていたバクテリアがいて、それが欲しかったのですが、探索条件をいろいろ変えてもとれてくるのはほぼ全部「シュードモナス」です。「もう、シュードモナスイラネー」というくらいとれます。

「シュードモナス」というと地下微生物の世界では、地上から混入したコンタミ菌のレッテルを貼られているバクテリアです。

しかし、幌延の地下からとれるシュードモナスは酸素が無くても生きられますし(硝酸還元という方法で)、普遍的にどの地点からも穫れてきます。コンタミ菌の可能性も否定できないですが、私たちはこれらが地層内で何らかの重要な役割を果たしているのではと考えています。

それの可能性の一つを証明した論文を最近、私たちは発表しました。下記の参考記事をご参照下さい。


参考記事

幌延珪藻岩中の難分解性有機物(フミン酸)の構造を変化させる地下微生物発見


図. 地下538mの地層から単離したシュードモナス属細菌(CO2固定微生物)