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【連載】地下微生物・第15話【珪藻岩の微生物(4)】

2014.07.22

はじめに


前回の幌延珪藻岩層に棲んでいるの温室効果ガスであるCO2を食べてくれる微生物(CO2固定微生物)のつづきです。

最初の数年はシュードモナスばかりがとれていましたが、培養方法を少し工夫すると違ったものが穫れるようになってきました。今回のその中の一つをご紹介したいと思います。

幌延珪藻岩のCO2固定微生物「チオミクロスピラ」


この微生物は酸素がないと生きていけない微生物です。これがなぜ地下250m地点から採れたのかは謎です。チオミクロスピラは海洋環境から培養される事例が多く、おそらく陸域の地下から採れたのは世界初の事例のようです。

幌延の珪藻岩層も大昔は深海底でしたので、そのことが関係しているのかもしれません。

この微生物の特徴はとにかく生育スピードが速いことです。また、新種の可能性も高く、新種論文を準備中です。

この微生物についてのもう一つのトピックスは日本生物工学会のトピックス演題に選ばれたことでしょうか。その時の要旨がインターネット上で公開されていますので、ご興味のある方は下記のリンクをご参照下さい。

幌延地域の深部地下堆積岩からのCO2固定微生物の探索と特徴づけ