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北海道科学技術総合振興センター
H-RISE 幌延地圏環境研究所
〒098-3221
北海道天塩郡幌延町栄町5番地3
TEL 01632-9-4112
FAX 01632-9-4113
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【連載】地下微生物・第18話【石炭層の微生物(3)】
2014.08.21
はじめに
今回は、石狩炭田(北海道夕張市)(図1)の瀝青炭層の微生物のお話をさせていただきます。ここはかつて日本唯一のCO2-ECBM実証サイトでした。石炭層はもともとメタンガスを大量に吸着していることが多く、この炭層メタンを温室効果ガスであるCO2で置換をして回収増進を狙ったのがCO2-ECBM(CO2- Enhanced Coal Bed Methane recovery)です。このサイトの概念図を図2にお示しました。
私たちはこの石炭層の地下水をサンプリングして、世界ではじめて石炭層の微生物について国際学術誌に論文を発表しました。
【関連記事】世界初!石炭層に分布するメタン生成微生物群の解明(2007 年)
石狩炭田にメタン菌はいるのか?
図3は、石狩炭田の石炭層の地下水のメタン菌培養実験のようすをお示したものです。この実験の結果、石炭層地下水には「生きた」メタン菌がいることがわかりました。実験の結果から、少なくとも水素と二酸化炭素、あるいはメタノールなどのメチル化合物からメタンをつくる2種類のタイプのメタン菌がいることがわかりました。
この結果を受けて、今度は遺伝子解析の手法を用いて詳細な研究を行うことになりました。この話は次回にさせていただきたいと思います。